オーストラリアで「アボリジニー(aborigine)」という言葉は「オーストラリアの先住民」のことを指す。
オーストラリアの北に位置する「トレス海峡諸島」の人々も先住民だが、アボリジニーという言葉はオーストラリア大陸内の先住民を表現するのに使われる。
彼らは内地のどこに住んでいるのか。オーストラリアへの観光客がアボリジニーを多く目にするのはアリススプリングスだろう。
有名な観光地、エアーズロックまで行くには、まずアリススプリングスに行く必要がある。
エアーズロックはアボリジニーにとって聖なる場所とみなされているので、その周辺都市であるアリススプリングスにアボリジニーが多いのは理解できる。
しかし実際のところはオーストラリア全土にアボリジニーはちらばっている。
アボリジニーといっても、都市圏に住んでいたり、田舎に住んでいたり、さらには昔と同じように狩猟生活していたり、実にさまざま。
アボリジニーがいつから姓を名乗り始めたのかは定かではないが、代表的な姓は「アトキンソン(Atkinson)」。
姓が「スズキ」や「タナカ」ならこの人は日本人だとすぐわかるように、アボリジニーか否かは姓から判断できることが多い。
アボリジニーから連想されることはいろいろとある。大きな笛のような楽器「ディジュリデュ」、エアーズロック、エアーズロックで見れる壁画、アボリジニーアート、ブーメラン、狩猟。
また、2000年のシドニーオリンピックで一躍有名になった陸上選手のキャシー・フリーマンもアボリジニー。
一方で、貧困、暴力、アルコール問題、健康問題など、現在のオーストラリアの社会では常に問題視されているマイノリティグループであるのは間違いない。