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曲を作ったきっかけは1980年代の日本人の不動産投資ブーム

オーストラリア人なら誰でも知っているだろう曲の1つにジョン・ウィルアムソンの「True Blue」がある。

この曲には「cockatoo」や「Vegemite」など、オーストラリアを象徴するものが多くでてきて、オーストラリア人の中には「True Blue」が国歌でもいいと思っている人もいるという。

この曲がオーストラリア社会に与えた影響力は大きく、「True Blue」は後に「生粋のオーストラリア人(totally Australian)」という意味をもつようになり、日常的にも広く使われるようになっている。

歌は「True Blue」に話しかける形をとっている。例えば「True Blueよ、お前の心はまだここにあるのか」という感じ。

ジョンはこの曲を1980年代につくったが、その背景として当時日本人がオーストラリアの不動産を次々と買収していたことを以下の動画内(4分55秒あたり)で語っている。

歌の中には「スポンジケーキを売るかのように彼ら(国)が我々を簡単に売るとしたら、それをお前はどう思う」というフレーズがあるが、それには「オーストラリアの土地がどんどん日本人に売られていくがそれには納得できない」という当時のジョンの気持ちが込められているに違いない。

 

いいことも悪いことも全部受け入れる。

曲のタイトルは「I am Australian」、直訳すれば「私はオーストラリア人です」。

今までいろいろなミュージシャンにカバーされてきているが、元々はオーストラリア人フォークソンググループ、「The Seekers(ザ・シーカーズ)」のギタリストによって1980年代に作られた。

歌詞にはオーストラリアを象徴する歴史上の人物や物事が多く取り上げられ、さびの部分では「人それぞれ様々だが、夢を分かち合い、共に歌を歌う私たちオーストラリア人は一つだ。」と歌われる。

この曲をオーストラリアの国歌に推したいオーストラリア人は少なくない。

しかし歌詞を紐解いていくと、この歌は決してオーストラリアにとって都合のいいことだけを歌っているわけではないのがわかる。

例えば、「私は有罪判決を受けて島流しにあい、この地につき、自由の身となった。」というくだりがある。

イギリスで犯罪者となった者が流刑に処されオーストラリアにたどりついたのは事実で、そのようなことがあって今のオーストラリアがある。

いいこと、悪いこと、全てひっくるめて私たちオーストラリア人は一つなんだ。そんな気持ちが伝わってくる歌。

ちなみにオーストラリアの大手通信会社テルストラは2000年代にこの歌(カバー曲)をテレビCMで使った。愛国心をくすぐるコマーシャルで多くのオーストラリア人に感動を与えたようだ。

オーストラリア国歌のロックバージョン

オーストラリアのコメディアン、アダム・ヒルズ(Adam Hills)。

彼はオーストラリアの国歌がちょっと堅苦しいとかんじたようで、

それをロック調にかえてしまった。

曲はジミー・バーンズ(Jimmy Barnes)の「Working Class Man」。

ジミー・バーンズといえばオーストラリア人なら誰でも知ってるであろう

オーストラリアの代表的なロック歌手。

そして「Working Class Man」はジミー・バーンズの代表的な曲。

ロックな国歌に観客は大いに満足。

進め素晴らしきオーストラリア

オーストラリアの国歌は長い間これというものがなかったのだが、

1977年の国民投票で約過半数の国民に支持されて

アドバンス・オーストラリア・フェア(Advance Australia Fair)に決まった。

ちなみに2位は3割ほどの票を得たワルチング・マチルダ(Waltzing Matilda)で、

3位はイギリスの国歌、ゴッド・セイブ・ザ・クイーン(God Save the Queen)。



「Advance」は動詞で「進む」、「前進する」、「進化する」。

「Fair」がわかりづらいが、形容詞で「美しい」、「すばらしい」などの意味。

形容詞は本来形容する言葉の前に置かれるが、

この場合は後ろからオーストラリアを形容していると考えられる。

「Australia (which is) fair」と解釈すれば、

文法的には問題ない。

だからオーストラリア国歌のタイトルを日本語に直すと、

進め、素晴らしきオーストラリア

とでもなるのだろう。



歌詞の中も「girt」や「toil」など、聞きなれない言葉が結構でてくるが、

「豊かで素晴らしい国をこれからもよくしていこう」

というかんじのことが歌われている。