日本の暴走族とやくざを足したようなバイク集団。

(2009 Apr 26)

オーストラリアには「バイキーギャング(Bikie Gang)」と呼ばれる、非常に危険な集団の人たちがいます。

「Bikie」は「bike」のことで、文脈によって「自転車」または「オートバイ」のことを指します。バイキーギャングの場合はオートバイを意味し、「オートバイのギャング」つまりは「暴走族」のような集団であることがわかります。しかし、日本の暴走族とは若干異なります。

日本の暴走族は10代や20代の若者から成り立ち、改造したバイクで違反行為を繰り返しながら集団で走行し、やくざと関係をもっている場合もあるグループです。彼らが拳銃で人殺しを始めたりすることはありません。

一方、オーストラリアのバイキーギャングは、若者ではなく成人男性で成り立ち、オーストラリアのマフィアと関係があるかは定かでありません。

オートバイで車道を集団で走行する場合、走行車線を遵守して、(オーストラリアは日本と同じ左側通行ですから左側をきちんと走ります)たいてい二列で隊列を成して脇にそれることなどなくまっすぐきれいに走ります。

しかしその列の長さが半端でなく、最後尾が見えないくらい長いこともしばしばあります。服装やヘルメットやバイクは通常黒、ハンドルはかまきり型です。

また、バイキーギャングは日本のやくざのような要素も兼ね備えており、敵対するバイキーギャングとの抗争がときどき起こります。その際は殴る蹴るは当然、銃も使われます。

今年の始めにシドニー空港内で白昼人目があるところで、一人の男性が複数の男たちによって激しく暴行され命を落とした事件がありました。

それは「コマンチェロ・モーターサイクル・クラブ」と「ヘルズ・エンジェル」という二つの大きなバイキーギャングのグループに所属するメンバーによって引き起こされ、きっかけは彼らがメルボルンからシドニーへの同じ飛行機に乗っていたことだったとされています。

この暴行事件の前にもバイキーギャングによる事件がかなり頻繁に起こっていたニューサウスウェールズ州では、取り締まり体制を強化し、そのための法整備を急ぐことにしています。