所得にかかる税率を15%にする方法。


オーストラリアには「salary sacrifice」というシステムがあります。所得を老後の資金として貯めるのならば、その制度を使うことにより、その所得にかかる税率を通常より低くすることができます。

「salary」は「給与」で「sacrifice」は「犠牲」。自分が今もらっている給与をいくらか犠牲にして、すなわち今受け取れる給与の額を減らして、減らした分を老後の貯蓄にまわすということです。

こうすることでいいことが2つあります。

まず「salary sacrifice」用に給与から引かれたお金は、稼いだお金、すなわち所得なわけですから言わずもがな税金を支払う必要があります。

オーストラリアの所得税は稼ぐ額によって異なりますが、年収7万ドルの人はおよそ所得税率は30%です。しかし、「salary sacrifice」用に給与から引かれたお金に対する税率はなんと15%と半額。

次に「salary sacrifice」用のお金を給与天引きすることによって、課税所得を減らせるので結果として所得税を減らすことにもつながります。

ちなみに、「salary sacrifice」は「salary packaging」とも呼ばれます。

オーストラリアのスーパーアニュエーションという制度により退職後に政府からもらえる退職金の額は、日本のそれと比べると若干少ないようですので、「salary sacrifice」を上手に使って老後の資金をコツコツ貯めておくことは非常に大切なことでしょう。